何が重要か?

その高校生は自転車を漕ぎながら、片手ではスマホをいじっていて、前をよく見ていないようでした。
スマホをいじっては、ちょっと前を見て、またいじって、顔をあげて、また・・・
ドスン！
前を歩いていた中年女性が、進路を変えてこちらに寄ってきたのに気が付かず、その女性の後ろから激突してしまったのです。
女性は骨折の大けがをし、病院に運び込まれました。
その高校生の親は多額の慰謝料を払い、新聞にもその事故が載りました。
こうして、その高校生は、未成年のうちから、もう人生で大きな後悔を抱えることになってしまいました。

頻繁にくるメールやLINEからのメッセージ。
そういったものを常にチェックしないといけないのでしょうか。
すぐに返信しないといけないのでしょうか。
他にも、日々の仕事や勉強の山、雑用、やりかけのゲーム。
この高校生に限らず、大人も、何が人生で大切かの視点を失ってしまうことはないでしょうか？

そういうものに心を奪われないように、良質な時間を確保し、平穏な生活を楽しむようにしましょう。

そのためにはどうすればよいでしょう？

私達は、大切なこと、大切でないことを、一日の時間という枠にぎゅうぎゅう詰め込んで、日々をバタバタと過ごしています。
時には、何が大切かをすっかり失念したり、心に余裕がなくなったりします。
その結果、無謀な行動をしてしまい、他人や自分に大きな不幸を引き起こします。

様々なことをごった煮にして、漫然と日々を過ごしていくことよりも、大事なことがあります。
それは、良質な時間を持つことです。

良質な時間というのは、
我々が急かされていない時、
他人を思いやる気持ちが持てる時、
ひと時ひと時を大切にし、
感謝できる時間です。

例えば、時間を気にせず、散歩をしている時間や、
すてきな本を読んでいる時、
瞑想している時間、
あるいは、ただゆったりと呼吸している時間・・・

良質な時間を確保するためのヒントを幾つか挙げてみます：
・スケジュールをしっかりたて、その時は仕事や雑用が入り込まないようにする。
・身の回りを整理して、無駄なもの、不要なものは捨てる（断舎利）。そうすれば、雑用が減ります。
・今、持っているもので満足する。持っているものが少なければ、掃除や整理も簡単です。
また、色んなものを買うために、稼がなければならない時間も少なくてすみます。
・何が幸せか、何が人生にとって大切かをよく考える。

これらは、一例で、全てではないし、全ての人にあてはまるものでもないでしょう。
けれども、誰にでも、本当に重要なことや、あなた自身や家族や友人の幸福のために、何かできることがある筈です。

見栄や自慢のために、高い車を買うのに必要なお金を稼ぐのに使った時間は、モノに埋没してしまいます。
それに使ってしまった時間を取り戻すことはできません。

けれども、家族や友人を喜ばすために使った時間や、自分自身の成長のために使った時間は、長期にわたる幸福への投資となります。

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